画像診断を取り巻く医療情勢

医療費抑制による医師不足は深刻です。そのうえ医療の高度化、細分化により、専門医はさらに必要とされています。
全国にはCTが13000台以上、MRIが約5000台ありますが、放射線科専門医は約4500人しかいません。放射線治療の専門医を除くと、画像診断の専門医は約3500人と推定されています。
単純計算では、専門医一人あたり、CTとMRIを計5台以上読影しなければなりません。
さらに撮影機器の進歩と台数の増加により、検査数と画像枚数は爆発的に増加しています。

医療の高度化により、一人の医師が全ての分野に対応する時代は終わりました。
各分野の専門家がチームを組んで診療にあたる必要性が増しています。

患者意識の高まりとともに医療にもサービスが要求されるようになってきました。
説明が遅かったり、不十分だと、受診者の方々は不満に思われます。

人が足りない、移動時間がないなどの理由で、従来のように来院して読影するのは効率が悪いため、専門医が読影できる数を増やすことができません。

常勤の放射線科医でも全ての臓器に精通しているとは限りません。
苦手な分野は、念のため別の放射線科医に相談したい場合があります。
所見が信頼できないと検査結果を説明するのに主治医が不安になることがあります。
また説明を受ける受診者の方々も不安になります。

略語や英語が多く、書かれていることがわかりにくい所見や、手書きのため判別が困難な所見もあります。

非常勤の放射線科専門医がいても、週に1〜２回しか来院しないため、所見がつくのが遅れてしまいます。